週刊ザコいおたく

早稲田大学初のおたく情報誌を刊行するサークル「ギークタイムズ編集部」の公式ブログ兼電子版です。毎週金曜日に更新します。

『selector』雑感:時代を読みきった反則な販促

 アニメ作品が作られる目的として最も基本的なものに、「関連商品の販売促進」がある。例えばロボットアニメであれば、作中で活躍する巨大兵器の似姿をプラモデルやアクションフィギュアとして商品化するし、女児アニメであれば主人公たちが用いる魔法の道具やパートナーを務める可愛らしい小動物に関するグッズを売り出すことになるだろう。このように映像と販促を結びつけた作品の中で最も直接的と言えるのは、トレーディングカードゲーム(TCG)を題材にしたアニメだ。作中の登場人物はおおむね実際のゲームに基づいた試合を行い、しばしば基本的なルールを説明する機会が設けられる。彼らが使用する派手な効果のカードやテーマ性を持ったデッキを構成するパーツは鳴り物入りで商品化され、現実のショップに陳列されることになる。つまるところ、このようなTCGアニメはふつう、ゲームのイントロダクションを兼ねるように制作されているはずだ。

 

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『きんいろモザイク』入門:欠点と行き違いの「愛おしさ」

 皆さんは20137月クールに放送された『きんいろモザイク』というアニメを覚えているだろうか。芳文社が発刊している『まんがタイムきららMAX』に連載中の同名4コマ漫画を原作とするこの作品は、10年に渡る私のおたく人生の中でも、特に気に入った作品のひとつだ。本稿は、作品の概略と「きんモザ」の魅力の精髄について、拙いながらに書き綴るものである。なおネタバレの防止に配慮した結果、少々ぼかしを入れたり実例を省いた書き方をした部分があるので、実際に作品をご覧になって頂ければいち信仰者としてこれほど有り難いこともない。

 

 本作は、3年前にイギリスにホームステイした経験を持つ高校1年生の少女「大宮 忍」と、中学時代からの友人である「小路 綾」「猪熊 陽子」の前に、当時のホストファミリーの一人娘「アリス・カータレット」が現れるところから始まる。アリスは3年の間に日本語を習得しており、今度は自分が忍の家にホームステイしに来たと言うのだ。更にアリスが日本にやって来てから暫く経った頃、イギリス人と日本人のハーフでアリスの親友である「九条 カレン」が父母ともども日本に引っ越してきて、五人の日英美少女による面白おかしい学園生活が開幕する。タイトルの『きんいろモザイク』は、二人の金髪少女と三人の日本人少女が織りなす日常を、剥片を組み合わせて描かれるモザイク画の技法に例えている(卑猥な意味はない)

 

 前段落で日常という言葉を使った通り、きんいろモザイクはいわゆる「日常系美少女アニメ」として作られている。確かに本作の魅力として最初に目につくのは登場人物の挙動の愛らしさや、(特に第一話のイギリスホームステイパートにおける)精緻な背景描写といった、ビジュアル的な面である。だがそれは、物語としての面白くなさや、キャラクター性の淡白さを意味しない。それどころか、きんいろモザイクの登場人物はかなりエッジの効いた、コメディの担い手としてとんがった性質を内包する者達だ。主役の忍からして、タレ目に黒髪のおかっぱという純和風の容姿と誰に対しても敬語を使うという優しげな第一印象に反して、とてつもないおバカという欠点がある。「ハロー」しか言えなかったホームステイの時と高校生時とで英語力がほとんど変わらず、自室ではエッフェル塔の模型とベネチアの仮面を横に並べて飾っているあたりからも、その知能が伺えるだろう。それだけなら比較的よくある設定なのだが、作品を注視していくと、忍はアリスと出会って以来「通訳者になる」という夢を抱いているにも関わらずほとんど努力の様子がないという、いささか度を越している愚かさを持つ人物であることが浮き彫りになっていく。

 

「度を越した」欠点や不安要素を持っているのは忍だけではない。忍と会うために単身で日本にやってくるほど彼女に激しく依存しているアリスは金髪好きの忍の注目を集めるカレンにあからさまな嫉妬を見せる。「アリスが好きだけど金髪全般も好き」「英語は喋れない」の忍と比較すると、「とにかく忍が一番」で「日本語を頑張って習得した」アリスは、いささか不憫でもある。綾は最初の親友である陽子にほとんど恋愛感情のような気持ちを抱いているものの、その極端な奥手さが災いして何も言い出せない上に、些細なことで頬を赤らめる奇矯な側面を持つ。カレンは日本に不慣れなためか想像もできない行動を取って先生を驚かせたり、無遠慮にモブ男子生徒の座っているデスクに腰掛けたりするし、陽子は比較的まともだが極端に鈍感であるため、なんの気なしに綾が真に受けて心を乱すような発言をしてしまう。どれもこれも日常系アニメがもたらすべき「安心感」からは遠く、むしろブラックなギャグとして受け止められるか、あるいは受け手に対して登場人物の将来についての不安を喚起するような描写だ。

 

ここまでを読んだ方は、きんいろモザイクの本質はかわいらしい登場人物に秘められた「毒」や「アク」を描くことなのかと思われるかもしれない。しかし本作の印象は、視聴者が少女たちの持つ欠点や汚点を認識した後でもう一度ぐるりと裏返る。きんいろモザイクに登場する五人の少女は確かに性格面での問題や、互いの慕情のレベルに関する行き違いを抱えているかもしれないが、それでも仲良しグループとして強固に結びつき、互いを好き合っているのだ。これはアニメのサブタイトルに使われた「すてきな5にんぐみ」や「どんなにきみがすきだかあててごらん」と言ったフレーズにも如実に現れている。集団の中でやんわりと相互肯定するその関係は言ってみれば家族のそれに近い。丸い人間が丸い関係をつくるのではなく、デコボコした心を持つ五人がひとつにまとまって安定する様子が、同じく完璧ではない人間として存在する私達に、却って大きな安心感と共感を与えてくれる。「ファンタジックなパッケージに梱包されたリアルな救い」を表現している点において、きんいろモザイクという作品は秀でているのだ。

 

 

さて、駄文でつらつらと語ってきたが、きんいろモザイクの魅力は実際に触れてもらうこと以外では伝えきれない。皆さんにはアニメの映像ソフトをレンタルするか、原作(既刊4巻)を読むなどして、是非この「確かな物語」を持った作品に触れて頂ければと思う。だいぶ先のことになるが、8月に発売されるリーズナブルな価格の北米版BOXを購入するのも良いだろう。そして既にきんいろモザイクをご覧になった方にとっては、拙稿が来るべき二期に向けて再視聴を行う際の一助になれば、この上ない幸いである。

アイカツ! ドレスの羽

 

アイカツ!の代名詞と言えば、やはりコーデ。私服から豪華なドレスまで様々なカードが存在する。コーデの中でも一際目を引くプレミアムドレス、アイカツ!2年目の2014シリーズからは星座をモチーフとした星座プレミアムドレスも登場します。今回は2014シリーズ第4弾までの各星座ドレスの感想と羽についての私的な意見を書きたいと思います。

 

 

 

・ミュージカルスコーピオンコーデ

 

2014シリーズから新登場のブランド、Swing ROCKの星座ドレス。胸元の赤い宝石は蠍座一等星のアンタレスをイメージしてるとか。五線譜をモチーフとした5本線の羽はSwing ROCKのコンセプトであるミュージシャンが着るロックなデザインとマッチしていて良いと思います。

 

 

 

キングレオコーデ

 

蝶がブランドモチーフとなっているブランド、SPICY AGEHAのドレス。気高き百獣の王である獅子を思わせる金色を基調とし、王冠も獅子の名を冠するに相応しい。しかし、サバンナの野鳥をイメージした羽、なんだこれは・・・獅子座のコンセプトにもSPICY AGEHAのモチーフである蝶にもかすりとヒットしない、何か腑に落ちないデザイン。

 

 

 

・マーメイドビスケスコーデ

 

「女の子を可愛く見せる」ことをテーマに立ち上がたブランド、Angely Sugarのドレス。パステルカラーをベースとしたカラーリングに魚座からイメージした人魚姫をモチーフとしたキュートなドレス。しかし、なぜか生えている羽と魚鱗の意匠のせいでトビウオの画が頭から離れない。ブランドのコンセプトと魚座をイメージした意匠がマッチングしていただけに羽の存在が浮いて見えてしまうのが残念。

 

 

 

・オリエンタルリブラコーデ

 

民族衣装をセクシーにアレンジしたエスニックコーデのブランド、Bohemian Skyのドレス。ブランド名にあるように空色を基調とし、エスニックな意匠が施されてる。ただ、どの辺が天秤座をモチーフとしているのかイマイチわからない。強いて言うならば羽が天秤を象っているんだろうけど、あまりにも強引すぎると思うのは私だけでしょうか。

 

 

 

ユニコーンサジットコーデ

 

おもちゃや遊園地をイメージしたブランド、MAGICAL TOYのドレス。靴に矢尻のマーク、スカートにはデフォルメされたユニコーン。弓使い風のトップスで射手座をイメージしているらしいけど、弓使い風ってものがあまりにもわからないのでここにはあまり触れません。射手座はもともとケンタウルスという半人半馬の神話上の動物、馬繋がりでこれまた神話上の動物ユニコーンをモチーフにしているのではないかと思います。ただ、羽が生えているのは納得がいかない。ユニコーンケンタウルスには羽はなく、これらをモチーフとしているのならわざわざ羽をつける意味はなかったんじゃないかと思います。

 

 

 

チロリアンエリアスコーデ

 

童話に登場する妖精などをモチーフとしたファンタジックなブランド、Aurora Fantasyのドレス。チロリアンとはチロル風という意味で、チロルはアルプス東部の地名。チロルがどんな所かと言うと眠れない時に羊を数える、その時にイメージする草原みたいな所です。農家の娘さんを連想させるようなエプロン風のドレス。(完全に偏見ですが)チロルの牧草地にはもちろん羊がたくさんいるでしょうし、牡羊座のイメージとはあっているのかな?羊毛のような羽のデザインもモチーフとあっていますね。

 

 

 

・クリスタルアクエリアスコーデ

 

宇宙や近未来をイメージした前衛的なデザインのブランド、FUTURING GIRLのドレス。アクエリアスというと某スポーツ飲料が思い浮かびますが、ここでは水瓶座のことですね。水、水晶をイメージとした透明感のあるデザインに、どこか荘厳な雰囲気を漂わせる穏やかじゃない羽。クリスタルアクエリアスコーデの羽のデザインは私の好みなので、羽があって良かったなあって思ってます。余談ですが同じくFUTURING GIRLカレイドミラーコーデは羽がついていないのですが、公開されている原案らしきイラストには羽がついていました。その羽もなかなか好みのデザインでした。

 

 

 

・ミステリアスヴァルゴコーデ

 

宝石や月をモチーフにしたラグジュアリーなブランド、LOVE MOONRISEのドレス。月のマークと宝石が散りばめられた豪華なドレス。古代ローマのヴィーナスをモチーフとしているらしい。羽には宝石が散りばめられていて孔雀の羽のようで、先に豪華だけど、いまいちピンと来ない。そもそも乙女座をモチーフというのが難題だと思うし、こちらも乙女座のイメージを容易に思い浮かべられないのでなんとも評価し難い。

 

 

 

ロリポップタウルスコーデ

 

フルーツやスイーツをモチーフとしたカラフルなデザインのポップなブランド、HAPPY RAINBOWのドレス。牡牛座をイメージしたホルスタイン柄とミルクを垂らしたような模様。フルーツをプリントしたスカートにチョコレートがかかった羽はブランドのコンセプトにマッチしてる。羽はちょっと小さめで主張しすぎないところも良いと思います。特にトップスが細めにできていて、スカートの裾が大きく広がっているので、羽をあわせるとボンキュッボン(胸とか尻の話ではないです)って感じに見えてバランスがいいです。

 

 

 

 

アイカツ!1年目のプレミアムドレスには羽がついているドレスは半分以下でしたが、2年目2014シリーズでは現在まで登場して全てのプレミアムドレスに羽がついています。しかし、その全てがコンセプトにマッチしたデザインではないと思います。羽つきのコーデはそれだけで豪華に見えるし、人気が出やすいのかもしれません。でも、たまには羽がついてないコーデを登場させてもいいと思いますし、それこそコンセプトに合わないならば無い方がいいと思います。ということで、最近のドレスのデザインに対する不満を少し吐き出させていただきました。しかし、アイカツ!アニメ第40話「ガール・ミーツ・ガール」のアイカツ!格言で「ドレスは人がまとってこそ完成する」と言われています。ドレス単体では気付けなかった魅力などたくさんあると思うので、これからも自分なりに研究していきたいと思います。

(編集員Y)

オタサーの姫についての覚書

年が明けて以来、新入生によるサークル選びが始まった影響からかオタサーの姫という言葉を耳にする機会が増えているように思う。オタサーの姫は一般的に男性の構成員数が多いおたくサークルに所属する少数の女性の俗称である。しかし、この言葉が用いられる際には常に一定のニュアンスが含まれることを忘れてはならない。それはおたくサークルの男性を狂わせ、最悪の場合サークルを崩壊へ追い込むサークルクラッシャー(自身の所属サークルを破壊する構成員)としての彼女たちへの眼差しである。つまり、“オタサーの姫”という語が用いられるとき、そこには「傾国」であるとか「ファム・ファタール」のような意味合いが暗に含まれているのだ。したがって、“オタサーの姫”に対する世間の認識は概してサークルクラッシュの原因を彼女たちへ還元するものである。たしかに、自我を肥大化させた女性の自意識の暴走(以下では便宜上“メンヘラ”と呼ぶ)は見るに堪えないし、それが組織に及ぼす禍は甚大だ。しかし、ここで注意しなければならないのは“オタサーの姫”の存在は当然おたくサークルに特有のものであって、アカデミックサークルやスポーツサークル、子育てサークル等には見られないものであるという点だ。言うまでもなく“メンヘラ”は広く女性、或いは人類一般に分布する性質であり、おたくサークルの女性に特有のものではない。よって、“オタサーの姫”という概念が登場する背景にはおたくサークルに特有な何かしらの性質が措定されるのである。

(編集員A)

童貞こじらせラスボスの肖像

 バトルものアニメに有りがちなラスボスに“童貞こじらせラスボス像”というものが存在する。と言っても、これは僕が勝手にそう呼んでいるだけなので仮にも人に読んでもらう場所であるここではそれなりに説明が必要だろう。僕なりの簡潔な定義を示すとすれば「世の中に絶望して世界の終末を企むラスボス」とでも言った所だろうか。これは「自己実現が叶わない絶望を世界・社会への絶望に転移させて地球に隕石を落とすパターン」や「どうしようもない世の中で唯一信じられる最愛の萌えキャラに再会する為に特務機関を立ち上げるパターン」、「環境汚染が起きる原因は人間にあるので人類絶滅を企むものの弟子にぶち殺されるパターン」などなど様々に分類可能だ。

 彼らは様々な理由から社会や世の中に絶望し、その破滅を企む。だが、壮大で一見完璧な彼らの野望は大抵の場合最終的に失敗する。未来への希望と可能性を信じる主人公に阻止されるのだ。こうした「希望に燃える主人公-絶望するラスボス」の構図を持つアニメは意識して探すと山ほどある。そこで共通するのは、ラスボスが童貞的な特質(世を呪っている、非リア、ぼっち等⇒閉鎖的)を備えているのに対し、主人公は非童貞的(明日への希望を抱いている、彼女持ち、仲間が多い等⇒開放的)である点だ。言ってみれば、これらは童貞をこじらせたラスボスが主人公の非童貞力によって打ち倒されるアニメの系譜なのである。概説が終わったところで、いくつか具体的なタイトルを挙げながら“童貞こじらせラスボス像”を見ていこう。尚、本稿ではストーリーの説明を優先してネタバレに関する配慮を一切行わないのでその点注意されたい。

 

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

 ロボットアニメ映画の金字塔として逆シャアの愛称で親しまれる本作は主人公アムロ・レイとライバルであるシャア・アズナブルが積年の因縁に決着を付ける物語である。シャアは幼少期にパパを暗殺されてママと引き離された時のトラウマで小さい女の子しか愛せない童貞だ。しかもこの人、小さい女の子に自分のママになって貰いたい願望を持っている。当然そんな恋愛がうまく行くわけもなく、大好きだった女の子のララァ・スンはよりによってライバルのアムロ・レイになびいてしまい逆上した彼はうっかりララァを殺してしまう。本作でもよりによって敵である連邦政府高官の娘を成り行きで攫って自軍の最終兵器のパイロットにしてしまう始末。攫われた少女クェス・パラヤはシャアに不甲斐ない自分のパパ、アデナウアー・パラヤの代わりになって貰えることを期待してシャアに擦り寄るが、シャアはあくまでもママを求めているので彼女の気持ちを「迷惑」と言い捨てる。そして彼は自分を不能にしたママへの愛と憎しみをジオニズムに投影して小惑星アクシズを母なる地球に落下させることで「愚かな地球人」の粛清を行おうとするのである。

 一方で彼のライバルであるアムロ・レイは模範的に成熟した男性として描かれる。ガンダムシリーズの第一作である『機動戦士ガンダム』の最序盤では心身ともに未熟だった彼は、一年戦争とその後のグリプス戦役を経て「立派な大人」に成長し、小説版『ベルトーチカ・チルドレン』では子供まで作っている。そんな彼はシャアによる愚かな人類への粛清をエゴに過ぎないと断罪し、落下寸前の小惑星モビルスーツで押し出そうとする。結果的に小惑星は謎の燐光と共に彼方へと飛び去るが、これはまさに人の可能性が示された結果なのである。こうして自分、そして人類への絶望によって地球滅亡を図った童貞であるシャアは立派な大人であるアムロによって打ち倒されたのである。

 

ポケットモンスターXY

一つ目が比較的古い時代の作品だったので次は新しめのものを。ポケモン自体の世界観については最早説明不要であろう。最新作XYではフラダリという男性がラスボスとして登場する。彼は元々慈善事業家であったが、徐々に人類の救いようのない側面を直面するようになりこれに絶望してしまう。そして自身の莫大な資産を投じて古代の最終兵器を発掘し、戦争の道具となるポケモンと大部分の人間を絶滅させることで「選ばれた人間」だけが住む理想郷の建設を敢行するのである。彼もまた、人の死に乗った改革しか出来ない人間だった。その計画の根底には絶望が孕まれており、可能性の否定を行うことでしか人類に未来はないと考えたのである。彼は現行の世界を「醜い世界」であるとし、「美しい世界」の成立を希求している。つまり、欠陥の無い完全な世界を望んでいるのだ。しかし、古事記や聖書を紐解くまでもなく人間は根源的に単体では不完全な生物であり、寄り添って社会を形成することでしか生きていくことが出来ない。そして我々は言葉を獲得した瞬間から他者との対話を通して可能性を拓くことによって生きていくことを運命付けられているのである。したがって、我々の社会は常に不安定で未完成なものだ。完全性の希求は人間性の否定であるが、彼は最後までそれを認められなかったのである。(以上から導き出される推論として「完全性の否定としてXYでは乱数調整が不可能な仕様になった」というマガジンミステリー調査班ばりの超理論を思いついたものの、あまりにも荒唐無稽なので括弧の中に封じておく)

 

以上、些か駆け足な紹介になってしまったが童貞こじらせラスボスの肖像の一端をご理解いただけただろうか。機会があればまたの機会により体系的な紹介が出来ればと思う。本稿がアニメを鑑賞する上での一つの見方を提供出来たならば、それ以上の幸福はない。

 

 

 (編集員A) 

4世代GS備忘録(前編)

ポケモンというコンテンツは子供を中心に幅広い層に人気があるジャンルであるが、対戦ゲームとしても非常に高い人気を博している。その人気たるや毎年世界大会であるワールドチャンピオンシップス(以下WCS)が開催されている程である。

 

WCSのルールは毎年変わり、今夏に開催される予定のWCS2014はカロス図鑑に載っているポケモンのみ使用可能というルール、通称カロスダブルで行われる予定だ。過去に行われたWCSのルールに目を向けるとひとつかなり特徴的なルールがある。それが2010年に行われたいわゆる4thGSというルールである。未だにコアな人気を誇るWCSルールであり、数多くの動画もアップロードされている為、ポケモンをやった事のある人間なら一度くらい見たことがあるであろうこのルールの概要をここに記したい。

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新歓活動、やってます

 おはようございます!早稲田大学に新歓期がやってきました。

 

我々ギークタイムズも本キャンパス10号館206教室の奥で新歓活動を行っています!

我々の慢性的な人材不足を救済するべく我こそはという方は是非お越しください。学年不問です!

 

新歓誌の頒布も行っているので、会誌だけ欲しい、という方もお持ちしています!